kayagreenの経営者ですが、仕事ばっかりはしていられませんね。
実は歌うたい、文章書きでもあります。
15歳で初めてアコースティックギターを手にし、作詞、作曲、弾き語りを始める。
その後、レゲエバンド400yearsを立ち上げ神戸を拠点に活動。
同時にベーシストとしてブルース、R&B、ハードロックなどの数々のバンドを経験。
21歳の時、神戸のジーベックホールで行われたアマチュアバンドコンクールでベストベーシスト賞を受賞。
ジャズの歌唱に興味を抱き、ジャズボーカリスト大森浩子に2年間師事。
2008年に「日本語の歌が歌いたい」という理由で、 ふうよう という名でソロ活動開始、小説も執筆。
関西を拠点に活動中。

自然の断片、あるいは風に揺れる草木など

夏の雲がモリモリと空に積まれてゆく。
子供の記憶に残るのは、
風や揺れる草木や水のきらめき、
土の感触。

自然は身の廻りにたくさんあるけれど、
見るのはコンクリート、アスファルト、プラスチックの壁や床。

そんなの見ちゃいけないよ。

風に草木が揺れるのを見てください。
土を触って、本当の事を理解してください。

自然を理解したうえで、プラスチックやアスファルトを見てください。

土がどれだけ柔らかくていい匂いか、忘れないでください。
生き物の匂いです。

プラスチックは死んだ匂いです。

違いを学んでください。

この夏、いい夏休みでありますように。

次の小説のタイトルは「桜童子」!

細々と小説みたいなものを書いてますが、
多分あまり読まれてないかもしれませんね。

「青い夢をみた時に」はいよいよ終盤にさしかかってきましたよ。

この作品を書きながら、次の小説も書いてます。
「桜童子」です。

B型のヨメは僕のことを、TV見ながらボーッとしてばっかりや!
とか、思ってるのかもしれませんが、
実は「桜童子」のことばかり考えています。

次の小説はすごいですよ!

平安時代から現代まで生き続ける「鬼」のお話です。

お楽しみに!(の)

小説 青い夢を見た時に12 母親の物語(距離感)

母親の物語(距離感)



 どの曲も、どんな曲も胸に響く前に消えて行った。 

 何も、胸に響くものは無かった。歌をやめた。

 

 出来ることなら、誰も自分のことを知らない所に居たかった。

 どうしても今までのように他人と上手く心を通わせることが出来なくなっていた。他人に対して距離を置かせた。それは、他人と自分とでは、住んでいる世界が違うような気がしたからだ。いくら何かをどうにかしても、もうもとには戻れない。

 その距離は、途方も無く、世界そのものが違っていた。

 

 そして、あたしは知らなかった。歌うことは自分を愛することができる者の証であることを。

 今の自分は、自分のことを愛しているのだろうか。

 今更ながら、そんなことを考える。

 自分を愛しているとしたら、まだ歌っていただろう。

 日常生活の様々な物や刺激の中で、溺れそうになっている自分に気づく。テレビやラジオや街の喧騒や、蛍光灯のちらちらする光や、その他雑多な物音や光、どれもが騒々しく、眩しすぎた。それらはじっとしていても波のように押し寄せ、空っぽの胸の中でぐるぐると渦を巻き、耳の中で増幅されて行った。

 休みの日、琳太郎が学校に行っている間、日常のいっさいの刺激を遮断し、ただひたすら、眠った。ただひたすらに、全ての感覚を遮断するのだ。

そうやって、溺れそうになっている自分を安息の小島へ運ぶのだ。

 眠りだけが避難場所だった。

小説 青い夢を見た時に11 夜の海

夜の海



 海を見に行こう。とあおいが言った。自転車置き場から自転車を出して来た。あおいの部屋のキーホルダーにはシルバーの羽飾りが付いていた。夜の風にあおいの髪の匂いが溶けて行った。

 目の前の視界が開け、海岸沿いの広い道路に出る。暗い海面が街の明かりを反射して、きらきらと光っている。光の届かない部分は、空なのか海なのか区別が付かないほど、真っ黒に塗りつぶされていた。銀の羽根のキーホルダーを細い人差し指でくるくると回しながら、「あの暗い水の中をひとりで泳いでいるとしたら、どんな気持ちがするかな?」とあおいが言った。暗い水の中を泳ぐのは、案外気持ちいいかも知れない。全く視界の効かない世界で水圧だけがある。

 あおいは自転車をガードレールに保たせかけて砂浜に降り、海の方へ歩き出す。そんなあおいの姿をガードレールにもたれ、柔らかい風に吹かれながら、見つめた。あおいの着ている夜色の服は、夜の海にとても似合うような気がする。真っ直ぐに波打ち際まで歩き、夜色の服を脱ぎ捨てると、闇の中に人の形に穴が空いたように、あおいの身体がぼんやりと光って見える。

 しばらく、あおいはそうやって潮風に吹かれていた。あおいの細い肩や背中は、それでも歌っているように見える。

 あおいは、この暗い海の表面に揺れる街の光をステージの照明のように身体にまといながら、暗闇と光を楽しんでいるようだ。

 あおいがゆっくりと海に入って行く。空間は消え、再び闇が辺りを支配する。海が発砲している。白い身体が水面に浮かび上がる。

 

 地鳴りがする。

 やっと聞き取れる程の低音。何処かの家の赤ん坊が、その音で目を覚ます。母親が乳房を与えたが、その柔らかい感触に怯え、固く立った乳首を噛む。リンは自分の母親に感謝した。固い母親の胸に感謝した。憎めばいいのだ。固い胸を憎めばいい。

 その感情は殻のような感覚だ。外界と自分とを遮断する。



 あおいは暗闇の中、水圧だけを感じ、波に身を任せ、全身の力を抜き、流されるままに、波間を漂った。

 沖に流されそうになると、水中に潜り、安全な場所で、また波に身を任せた。そうやって漂いながら、あおいは、自分の見た事も無い母親のことを思い出した。母親の感触だ。羊水の感触だ。視界の効かない真っ暗闇の中で、生まれる前の記憶を感じた。自分と母親は、その時、一つの命だった。

 水中に潜り、しばらく息を殺し、街の雑音を遮断した。

 そんな事実の中で私は生きて、私の好きなもの、綺麗なもの、心惹かれるもの、自分を守ってくれるものを、自分の感覚で選んで身にまとい、生きて来た。

 目を閉じ、水圧だけを全身の全神経で感じながら、ガードレールの所にいる、小さな友人の事を思う。あの子が、あんなに細い指で、この街に生きて、そして何物にも支配されず、いてくれたらいいのに。そのまんま何も変わらず、輝く感覚を持ったまま。ずっと、ずっと。



 君は溶け入ることもせず 差し伸べた手さえも掴もうとせず

 身体の中に光りを抱き 身体の中に魔物を抱き

 全ては輝いているかも知れないのに そんなに細い指で 全てから遠ざかる

 

 君の祈りは届くと思う? はだしの指に茨が刺さろうと

 全部の世界を巡り歩き その果てに行き着いてしまっても

 何かを見つける事が出来る? その果てに砂しか無くても 空気さえ無くても

 そして誰もが忘れ去り 世界が君のことを 闇の中に捨て去っても

 私はずっと覚えていよう その光り輝く感覚を

 

 あおいが海から上がって来た。タオルで髪を拭きながら。

 「戻ろう」とあおいが言った。濡れた髪が夜の海みたいに街の明かりを映していた。

小説 青い夢を見た時に10 あおいの部屋

あおいの部屋



 マイクに止まった蝶は、あのフロアの何物とも混ざり合わず、はっきりした輪郭で、シルバーの鎖のように輝いていた。そのフロアの中では異物だった。

 ステージが終わり、蝶の指の男の子に声をかけた。「名前はなんて言うの?」

 「りんたろう」と蝶の指の男の子は答えた。危険な場所に迷い込んだか弱い蝶のようだった。



 リンは自分のアパートとあまり変わらない古い錆び付いた鉄階段を上った。

 あおいの部屋は散らかっていた。本やCDや、何かを書き留めたノートやら、描きかけの絵や、写真。でもその散らかり方は、自然とそうなってしまった、という散らかり方だった。人の生活が息をしていた。

 あおいは本棚に並べられたCDを端から順に指を這わせながら調べている。

 窓際にいるリンに声をかける。あおいはリンの側へ行き、まっすぐで柔らかい髪を撫でる。並んで立つとあおいの顎の下くらいにリンの頭がある。部屋に、甘い女性ボーカルのヒップホップが流れ出す。あおいは曲にあわせて、ゆっくりと揺れるように踊ってみせる。リンはあおいの指先に塗られたメタリックなマニキュアを見る。女の人を見たような気がした。そのマニキュアは、蝶の羽根に浮いたきらきら光る粉を思わせる。あおいはリンの視線に気付き、胸の前で指を組んで見せる。

 「何を歌っていたの?」?Blues? 細い指を広げてマニキュアを見ながら言う。盲目的に女を愛する男の歌よ。そのまま歌いだしそうな言い方だった。

 CDが終わり、甘いボーカルは、リンとこの部屋を少し馴染ませた。あおいが部屋の隅にあったアコースティックギターを静かに弾きはじめた。

 My funny valentine とあおいは言った。sweet comic valentine you make me smile with my heart 〜 優しい歌声だった。

 幼い頃、同じような歌を聞いたことがあるような気がする。それはほんとに遠い昔で、母親の匂いと共によみがえる。柔らかい布に包まれて、ミルクを飲みながら、母親が子守唄のように、自分だけのためだけに、小さな声で、優しく揺れながら。その母親の歌声には大きな安心感があった。母親と自分は溶け合っていた。一つだった。『声』が聞こえるようになるまでは。

 いや、『声』は隠れていただけかも知れない。自分の背後か、母親の固い胸の中か、生まれた時からずっと、その時が来るまで。

 

不思議とその歌を覚えていた。細部はぼんやりしていたけれど、それでも聞き覚えのある歌だった。言葉ははっきりしないので、わかる所を除いてハミングしてあわせた。あおいと一緒に、ゆっくりと、ひと言一こと、あおいの言葉に意味を見いだせるように聴きながら歌った。あおいはリンのハミングに合わせて丁寧に一小節ずつギターを弾いた。

 あおいはこの曲が好きだった。バンドで歌うことも好きだけど、その時は、客を前にして、異様な空気の中、全てが曖昧にぼやけ、歪んでいた。あおいはそんな時、決してその中に溶け込んだりしたくなかった。



 何故なんだろう。

 それは、蝶の指を見た時、わかったような気がした。泥の中で見つけた綺麗な石ころ、浜辺で見つけたガラス片。自然の中で緑や草花は全部が一つにつながり、全部が景色の一部だ。街もライブハウスも、全部、それらの一部だ。リンは違っていた。際立っていた。泥の中の紫色に光る石ころのように異質で輝いていた。そうだよね、自分は自分でいたいよね。誰の真似もしたくないし、何かに溶け込んだりもしたくないよね。自分のギターに、たどたどしく合わせて歌うリンに、あおいは自分の一片を見つける。リンの歌声はあおいに不思議な驚きと感動を呼び覚ました。音楽の知識なんてなにも持っていないリンの歌声は、素朴で、飾り気が無く、一言ひとことが、水滴の一しずくのように、粒となって、部屋の中に浮かんでいた。

 あおいは、一人で自分のために歌う時、この曲をよく歌った。

 リンはゆっくりと一音一音少しつまずきながらも、曲を、音を、メロディーをたどるのが楽しくて、ずっと歌っていたい気持ちになった。

 ずっとこうやって、音と、曲と、戯れていたいと思った。

 そうだ、自分が探しいていたものは、こういうものだったのかと思い、キリン草の生い茂った空き地や、海岸のテトラポットの中や、新興住宅地の地下を通っている下水管の中には何も無かったけど、自分の声の中にそれがあったのだと気が付いた、それは、自分という存在を確かな感覚で感じることが出来た。

 何故か、自由になれたと思ったら救われ、太陽で温められた砂の中に手が埋もれて行くような安心感がリンを包んだ。

小説 青い夢を見た時に9 母親の物語(違う自分、落とし穴)

母親の物語(違う自分、落とし穴)



 スピーカーから聞こえて来る声は、途切れそうな息子の足跡を追わせながら別のものの所へ連れて行く。空き地は時折ぽっかりと目の前に現れる時がある。昔の自分の歌を聞いていると不意にその場所へ迷い込んでしまう。地面に落ちているものは、今はもう着ることの無い舞台衣装。風にゆらゆらと揺れている。?目を閉じる? 空き地は消える。歌声だけが闇の中に残る。アパートの階段を駆け上がる足音。ドアをノックする。扉の向こうに人の気配がする。ガタンと郵便受けに何かを入れるような音がして人の気配は消える。シャツのボタンを一番上まで止めようとしている自分に気付く。周りの人間の沈黙の言葉が、今届いた封書の中に認められているような、そんな気がして、シャツの胸元をぎゅっと握りしめる。紙切れを拾い上げる。土埃で汚れた白い紙切れ。32。最後の舞台衣装の袖口に留められていた番号。足下に埃だらけのドレスが風に揺れている。背中が腰の辺りまで大きく開いた舞台衣装。ずっと向こうに昼下がりの太陽の光を眩しく反射させてスチールの衣装掛けがぽつんと立っている。この場所はいつも午後の太陽の光に包まれている。何故、この場所はこんなにも鮮明なのだろう。?目を閉じる? 紙切れは消える。スローなブルース。違う自分が歌っている。彼女は、怒りや、喜びや、悲しみや、愛情や、絶望や、何もかもをその歌の中に激しく、優しく織り込み、言葉一つ一つが踊り、血を流している。彼女は他人を幸せにすることも、深く傷つけることも出来るだろう。そして、柔らかく傷口に口づけることも。彼女は愛され、傷つけられ、その渦の中で歌う強さを持っている。そして、彼女は自分だった。まぎれもない、自分だった。

 彼女はまだ何も失ってはいなかった。

 病院で麻酔から覚め行く時、何の涙か解らない涙が出た。もうろうとした意識の中で、現実が再び色濃く、際立って来た時・・・。

 乳房を取らなければいけない。医者の言葉を聞いた時、その場所は、もう静かに渦を巻いて小さな暗い落とし穴のように自分の胸の中に、針の先程の場所を作りはじめたのかも知れない。

 二回目の手術の後、その場所はもうはっきりと胸の中に在った。ずっと眠っていたかった。もう、自分が自分で無くなってしまった。そう思わずにはいられなかった。スローな、よく琳太郎を抱きながら歌った曲を口にしてみた。虚空に向かって、落とし穴に向かって、空き地に向かって、歌は、口にした矢先から、響きを得る間もなくかき消えてしまった。jazzのさまざまな曲を聴いてみた。どの曲も、どんな曲も、胸に響く前に消えて行った。

 それは暗い底の無い落とし穴に吸い込まれるような感覚だった。

 選択肢はいろいろあった。しかしどの道を選んでも、どんな選択をしても結局は、乳房を失い、今の自分のように何も無い自分になってしまったのだろう。

 自分には、選ぶことが出来なかったのだ。

小説 青い夢を見た時に8(リンの物語り(蝶とシルバー)

リンの物語(蝶とシルバー)



 食事が終わると母親は仕事に出かけて行った。リンは狭い部屋の中から音のする方向のネオンの光を見ていた。点滅する光を見つめた。そして声を聞いた。母親でもない、あの『声』でもない。何の感情も無い。でも、その声は歌っていた。



 古びた雑居ビルの狭い階段を上り、分厚い防音の扉を開けると圧倒的な音の風にあおられ、ふわりと身体が浮いたような気がした。きらきらと粉のような光が舞っていた。

 人のかたまりが音の波にあわせて揺れ、アルコールと煙草と香水と息と汗との混ざった匂いがした。知っている匂いだ、とリンは思った。母親の匂い。朝目覚めたとき、部屋の中にぼんやりと漂っている匂い。背中のあたりが少しざわついた。自分の輪郭が少しぼやけ、身体を動かすと周りの空気に指先から溶け入りそうな気がした。

 何も言うな。

 『声』が何も言わず押し黙った。

 『声』の存在が、背後からゆっくりと肩口まで上がってきて、深い沈黙がリンを包み込んだ。息づかいだけが聞こえる。リンを包み込んだ沈黙は、周りのいっさいのものからリンを遮断し、身体の輪郭をはっきりと浮き上がらせた。フロアの人のかたまりは、この部屋の光や空気と混ざり合い、解け合おうとしていた。男も女も、椅子やテーブルやグラスや灰皿や壁や照明も何もかもが混ざり合い、溶け合おうとしていた。

 歌声が聞こえた。その声は、そんな空気を引き裂いた。客がどっと歓声をあげた。声は、そんな歓声も引き裂いた。まるでこのフロアをまるごと引き裂こうとしているみたいに。声は、リンを包んでいた沈黙の膜の内側に滑り込んできた。リンはその声の衝撃で身体が震えた。膜の内側のむきだしの部分をいきなり傷つけられたような衝撃だった。気持ちが悪くなって入り口のドアに片耳をうずめた。身体から、『声』が作り出した沈黙の膜がぼろぼろと剥がれ落ちた。

 混ざり合いたくない。

 スピーカーから大音量で聞こえてくる女の歌声は『声』を消し去った。自分の怒りではなく、ぎらぎらと光る正面のステージで歌う女がリンを包んでいた柔らかい逃げ場所を剥ぎ取った。リンは一瞬、暗闇の中にいた。音と景色が遠のいた。そして入れ替わるように母親が意識を支配した。母親は暗闇の中に色と音をその手に引きずるようにしてリンの背後から手を延ばした。長い爪が腕に食い込んできた。母親からはアルコールと煙草と香水の匂いがした。この部屋の空気と同じ匂い。身体は、自分を傷つけたその声の方へ近づこうとした。母親の腕は、リンを抱きしめようとした。振り向かせようと肩に手をかけた。

 混ざり合いたくない。

 リンはフロアの丸いテーブルの間を縫って声の方に向かって歩いた。むき出しになった意識はその声に絡み付くようにリンをステージへと突き動かした。客の一人が、ステージに向かって「あおい!」と叫んだ。?あおい? とリンはつぶやいた。気が付くとステージの正面に立っていた。目の前の女が客に応えてにっこりと微笑んだ。マイクを握った細い腕で銀色の鎖がきらきらと光った。演奏がギターのソロになった。あおい、と呼ばれた女はペットボトルの水を少し飲み、膝を折ってリンの隣の女に煙草をもらった。マイクを外して「たばこ・・・」とリンの顔のすぐ側で言った。長くてウエーブのかかった髪が照明で紫色に染まっていた。そっとマイクを床に置いて煙草に火を付けてもらった。床に置いたマイクが小さなハウリングをおこし、ギターの音に増幅されてギーンという音が鳴り響いた。

 肩に母親の爪が食い込んだ。

歌いたくなった!


昨日、知り合いのバンドが神戸のチキンジョージでライブした。
ぜひ!と言われたので行ってみた。

めっちゃ楽しめた!

やっぱ音楽したい!

おれに歌う時間をください!

今年は一本でええからライブしたい!

お願いします!

恵方巻きも食べたし、豆もたべたよ!


ふうふうブログ 夕焼け!


今日は夕焼けがめっちゃ綺麗だったので帰り道思わず撮ってしまいました。

ずっと曇り空の一日だったので、夕焼けがとても感動的でしたよ。

暮れ始め

だんだん日が落ちてきます。


青い所と赤い所。


ん〜!もうすぐ暮れちゃいますね〜。


あー綺麗だった!

ちなみに最後の写真はもう夜ですが、この交差点の空で以前UFOを見た事があります。
信じてもらえなくていいのですが、メモ的に一枚撮っておきました。

小説 青い夢を見た時に7(母親の物語、空き地)

乳房を失う前、そこは空き地ではなかった。
花が咲き、人々が出入りしているはずだった。空き地は、空き地になってはじめてそれに気づいた。

そこは、命の気配を感じない場所だった。何も無い場所。

 そこに何かを探しているのか。
 そこは無くしてしまったものなのか。

 ただ、それを見つめない訳にはいかなかった。
見つめれば見つめるほど、そこには何も無かった。
無くしたものの痕跡すら無かった。
暖かかった余韻さえ無かった。
あるとしたら、無くしてしまった事実の切れ端みたいなものだけがそこにあった。
かつて、自分は何も失ってなかった。

それだけがそこにあった。

 生まれて間もない息子を抱き、狭い部屋の片隅の化粧台の前でその空き地を見つめた事もあった。
息子は小さく腕の中に抱かれている。
しかし、乳房の無い母親を息子はどう感じているのだろう。
息子が何かを訴えて泣く度に、その訴えが自分の乳房を欲している声に聞こえて、息子に母乳をあげられない自分は、もう母親でも女でもないような気がした。
そして空き地は、そうやって見つめる度に、更に深く濃く、今、生きている領域にまで沁み込んで来るようだった。

 その殺風景な場所に唯一、生命の気配があるとしたら、それは琳太郎の足跡だった。
そこには誰もいない。
しかし、十数年の歳月の中で、唯一、息子の足跡だけは見つけ出せた。
ほんの小さい足跡から、大きいものまで、それは過去のものではあるけれど、今、すぐ隣の部屋で眠っている息子のものだった。

時には、そのたった今付いたばかりの足跡をじっと追い続けてみた。
息子が跳ね上げる土煙が舞っていることもあった。
深い静寂の中で、つい今、蹴り上げたばかりの土煙がゆっくりと弧を描いて地面に降りて行った。
でも、いつも、あと一歩が追いつけなかった。そして、気が付くと、その空き地は、またずっと広がってしまっていた。

 つづく

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